今まで沢山のテーブルを製作してきました。大きいものだとダイニングテーブルとして1800mm天板など。
今回は、SPF1×4材で天板用一枚板を作る部分にクローズアップして解説します。
あえて手間の掛かるSPF材で天板を作るかと言うと、高価なビンテージ感がある天板をSPF材で再現できるからです。
材料費10分の1でビンテージ感が演出できるのはSPFが一番かなと思います。そんなSPF一枚板の製作法を解説します!
DIYレシピ
SPF1枚板・天板製作の材料
- SPF1×4材 910 4枚
- 6mmダボ 10個以上
SPF1枚板・天板製作の道具
- 丸ノコ、丸ノコガイド
- インパクトドライバー or ドリル
- 6mm木工ドリル
- ダボ治具(リンクは2×4用です。)
- バークランプ 900、600、150など
- カンナ
- サンドペーパー
- ブライワックス(お好みで)
木材の並べ方について
薄い板で天板を製作する場合に注意しないと行けないのが、板を並べる方向・向きです。
木材には木表と木裏があります。
木の向きと特性
木表:樹皮側の面。年輪で見ると大きい方がある面です。木表は年輪の密度が低い為、凹み側の反りになりやすい傾向があります。
木裏:木の芯側の面。年輪の小さい方向の面です。木裏は年輪の密度が高い為、木表より固く凸側の反りになりやすい傾向があります。
この木材の癖を理解して並べる必要があります。
反り防止用の角材をなどを天板裏に取り付ける事である程度押さえる事も出来ますが、完全ではありません。
そこで木の癖・特性から見た板の並べ方を2つご紹介します。
木裏を上にする並べ方
木裏を全て天板上にする並べ方のメリットは、反った場合でも木材の角が浮き出てこない事です。
板の中心が盛り上がっても、角ではないので物が引っ掛かる事が少ないです。気にならなければ修正せず使い続ける事が出来ます。
更に板の接合部が目立ちにくかったり、隙間が出にくい並べ方です。
木表と木裏を交互に並べる
天板面を木表と木裏交互に並べる方法のメリットは、接合面が反りに対して剥離しづらい事です。
反った場合、接合面はナナメになりますが交互に並べる事で剥離せず接合強度を確保しやすいです。
更に反った場合でも、接合部角が段差になりにくい並べ方です。
天板の板の並べ方としてもメジャーな方法です。
木材表面の木目を見て上側にしたい場合もあります。でも長い目で見ると後々の修正も検討して並べ方を決める方が良いですね。
SPF材のR処理をカットする
SPF材は木材角を丸くR処理されて販売されています。そのまま家具材として使う場合は良いですが、一枚板としては目立ちます。
そこで、丸ノコと丸ノコガイドを使ってR処理された角部分(約2〜3mm)をカットします。
板の並べ方とポイント
天板の表面にする並べ方が決まったら、その後の作業で間違えない様にナンバリングします。
表となる部分にマスキングテープなどで番号を記すと間違える事が無いです。
ダボ治具とダボ接合の方法
一枚板の接合にはダボ接合を使います。
補強材を使う事で強度を出す場合は、反り防止角材だけでも良いと思われます。しかし、その後の反り曲がり具合と方向は予測出来ないです。(熟練の大工さんは分かるかもですが。)
そこで、板同士で矯正し合う方が反り曲がり抑制には効果的だなと思います。
しかしビスケットカッターと言う専用工具を揃えないといけません。使用頻度の低い工具の使用は避けたいかなと思います。
ダボ治具を使わなくても、ダボマーカーや寸法合わせでダボ位置を決める事も可能です。
正確に簡単にダボ穴をあけるにはダボ治具の製作や購入をおすすめします。
ダボ穴の位置は、板の両端と均等割で4ヶ所もしくは5ヶ所あると良いと思います。
今回は両端と約130mm間隔?でダボ位置を決めました。
今回使用するダボは長さが30mmです。
そこで、ドリルの切削深さは15mm+2mmの17mmとしました。2mmは保険です。
ボンドも拭き取り大変な追加作業が出ました。
ドリルストッパーがあると便利ですが、マスキングテープなどでも代用できます。
ダボ治具が曲がらない様に注意して、真っ直ぐ垂直に穴あけ。
ダボ穴加工が完了したら、接合面とダボ穴に少量の木工用ボンドを塗布。
作業台にボンドが付かない様にと、板の平面確保に角材を敷きます。
位置ずれは事前に再確認して!この段階では面倒になります!
ダボ接合後の圧着注意点
接合が完了したら、大事な圧着です。
圧着にはレバークランプやハタガネなどを使います。クランプの長さは製作サイズをカバーできる長さのクランプを用意。
注意ポイント
板同士を強力に圧着させる為、クランプの力で板が反る事もあります。
真っ直ぐな角材を上下に付けて抑えたり、クランプの向きを交互に固定して圧着時の反りを解消します。
板の接合面に段差が発生した場合は、別途クランプで接合部分を抑えます。
かなり無理な圧力で接着させる為、かなり時間を掛けて乾燥させます。
今回は夏場で半日置きました。
はみ出したボンドが完全に乾いていたらOKです。
なるべく平面な天板に仕上げる
なるべく段差が出ないように接合しても、個体差から来る段差が出ます。
そこで、カンナやサンドペーパーを駆使して段差を解消します。
今回使ったカンナは小さすぎて大変でした。
出来れば大きめの2枚刃カンナを使う事をオススメします。
平面度のチェックは、差し金で。
なるべく隙間が出来ない様に鉋掛け。ここは根気勝負です。
天板の最終仕上げ
最後に、板同士の段差をカットして一枚板に仕上げます。
角はお好みで。
ビンテージ感の演出
ビンテージ感を出す塗料は、ブライワックスが一番ですね。
色味は好みですが、ジャコビアンが一番合うかなと思います。
SPF一枚板・テーブル天板の完成!
SPF一枚板が完成しました。
手間は掛かりますが、手軽に買えるテーブル天板でこの質感・風合いはSPFならではだと思いますね。
更に使用感・ビンテージ感を出すには、荒目のサンドペーパーやドライバー、ノコなどで傷を付けるのもいいですね。
ソリ防止対策は別途!
SPF天板はとても風合いが良いですが、元々柔らかい木材なので反り曲がりが出ます。ダボである程度矯正出来ていますが、一枚板全体の反りは別に反り防止策を講じる必要があります。
角材を裏面に取り付けるとか、テーブル足枠を組んで一体化させるなど。デザインに合わせて反り防止を行って下さい!
製作を終えて
テーブル用天板はホームセンターでも市販されています。それでもあえて製作するのは、ビンテージ感を出したい時にパイン集成材より、SPF材の木目のほうが雰囲気が良いと思うからです。
製作には手間も掛かりますが、出来た時の雰囲気は抜群です。不揃いで無骨な雰囲気はSPFならではかなと思います。
男前な雰囲気に仕上げたい時のご参考に!
おすすめグッズ
天板製作には長いバークランプが必須です。
ビンテージ感塗料の定番!