DIYでも木材を加工する時に最初に行うのは、寸法を測って墨線(切る位置のライン)を引く作業です。同じ寸法で墨線を引いてカットすると。。
あれっ!寸法が微妙に違うっ!なんてことありませんか?
原因は、寸法を測って引いた線の位置とカットする時の位置が微妙にバラバラだからです。墨線を引く時やカットする時には『墨線とカットのルール』を決めておくことが重要です。
そこで、墨線を引く時のルールやポイント、カットのルールの一例をご紹介します。
この方法が絶対ではないですが、寸法違いのトラブルを防げる方法です。
墨線(すみせん)とは?
墨線とは大工さんが使う用語で、墨つぼと墨差しを使って切る線を引いていた事に由来します。
現在では建築用鉛筆を使うことが多いですが、宮大工さんは今でも古来の技法を受け継がれています。
DIYではそこまで厳密に作業することも無いと思いますが、『墨線とカットのルール』を決めておく方が正確な木工作業に役立ちます。
参考
同じ様な線の引き方でケガキ線があります。
鉄やアルミなど金属材料の平坦な表面に傷をつけて線を引くことを「罫書(描)く」(けがく)といい、けがきで穴あけの中心位置を決めたり、切り出しの位置を決めたりする線をケガキ線といいます。
墨線のルールを決める
墨線からカットまでのルールの一例をご紹介します。
このルールが絶対では無いですが、墨線を引く時とカットする時のルールを決めることが重要です。
墨線を引く時のルール
メジャー(コンベックス)や差し金で必要な寸法で墨線を引きます。
墨線の印は必要な寸法の中心で引く。
ポイント
墨線を引く鉛筆は尖らせ過ぎず、1~1.5mm位の太さにしておいた方がカットの時の刃位置合せが楽です。
カットする時のルール
墨線を元にカットします。
カットする時の刃の位置は墨線の半分を残す様に切る事。
写真はスライド丸のこですが、丸のこやのこぎりでも同様にカットします。
注意ポイント
カットする時はノコ刃や丸のこ刃の刃の厚さを考慮して、必要な寸法側の墨線を半分残す様に合わせます。
墨線を半分残すとカットした時の誤差が出にくいです。
墨線にカンナ、ノミで寄せる方法
のこぎりで墨線に合せて正確にカットするには、熟練の業!が必要です。のこぎりで正確に切れる自信が無い場合にオススメです。
大まかにのこぎりでカットして、カンナやノミで墨線に寄せます。特に精密に墨線やほぞ穴、木組みの相手側に合わせる時に有効な方法です。
墨線より1mm程度手前でカット。これだと、多少曲がっても平気ですね!
角まで削れるカンナがあれば、カンナの方がより墨線に真っ直ぐ寄せれます。
無い場合はノミで確認しながら少しずつ削ります。
木目に垂直に削る場合は、先に墨線に合せて切り込みを入れてから削ります。(角の割れ防止です。)
ほぞ穴に合せる場合は、ほぞ穴に合せながら削り量を調整します。
調整しながら削ると組み上げた時にユルくなり過ぎない組み方も出来ます。
木組みの場合は特に1回のカットで決めるより、徐々に墨線やほぞ穴に寄せていく方法がトラブルになりにくいですね。
まとめ
墨線は正確に引けてもカットのルールが決まっていないと、部材ごとの寸法が合っていないという事になってしまいます。また作り直しでは休日の貴重な時間が減ってしまいます。DIYでも正確に墨線を引き、カットするルールを決めておけばスムーズに作業が進み二度手間を防げます。
チョット大工さん気分で正確な墨線を引き、カット出来た時は快感ですよ!
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オススメグッズ
木工用の墨付け鉛筆は硬めのほうが簡単に折れないので便利です。
差し金は墨付けの基本道具です。
任意の角度に墨付け可能!