同じ寸法を墨付けする道具として『T型定規』があります。一度測った寸法で固定したら、何度も定規を当てずに同寸法の墨付けが出来る便利道具です。
とても便利な道具ですが、買うと5,000円〜10,000円と結構良いお値段です。同じ役割の道具として『ケビキ』がありますが、先端の刃が木目に流れやすく扱いが難しいです。
そこで、今回は端材や工作材を活用してT型定規を製作します。特に電動工具が無くても製作できる単純な構造なので作ってみては如何でしょうか。
DIYレシピ
T型定規の材料
- 10mm角工作材 300mm程度
- 30mm幅工作材 200mm程度
- M4鬼目ナット 1個
- M4ボルト 1個
T型定規製作の道具
T型定規の材料選定
治具や定規のDIYでは、材料の選定が重要です。それは、寸法が一定で反り曲がりの狂いがない事です。
正確さが求められる治具や定規ですので、出来れば工作材など寸法がシッカリ出ている木材を使います。その方が製作も楽ですし機能も安定します。
例えば30mm厚の木材と15mm厚の木材2枚が同じ厚さである方が計算もしやすいですね。
曲がり反りが影響して寸法ズレも生じます。
T型の墨付けとカット
T型部分の製作は10mm角工作材で作りました。
ココはあまり幅のない工作材を使う方が良いです。今回だと木材端から10mm以上の墨付けが可能です。
10mm角材から100mmと150mmを切り出します。
ノコギリで切る場合はノコギリ治具があると便利です。
相欠き加工
T型の組付けでは、強度が必要なので『相欠き継ぎ』を行います。
横バーは深さ5mm、幅10mmの欠き加工を行います。
縦バーも端に深さ5mm、幅10mmの欠き加工です。
墨付けが完了しました。
T型の加工と組立
欠き部分の加工はノコギリとノコギリ治具で縦方向の切込みを先に入れます。
墨付け以上の切込みをしない様に注意!
横方向は9mmノミで少しずつ取り除きます。
細かい作業なので、指を怪我しない様に注意して。
欠き加工が完了したら仮組みしてみます。
ガタがある様だと。。。作り直しですね。
仮組み時点で直角が出ているか確認。
直角が問題なければ、木工用ボンドで接着します。
定規本体の製作
定規本体はベースが100mm×2個です。
定規を当てる時に端に木材を立てて差し金を当てると正確に測れます。
今回は30mm×10mmの工作材から100mmを切り出します。
鬼目ナットでTバーを固定する様にするので、鬼目ナット用の下穴を先にあけます。
Tバーが通る中心点に墨付け。
加工した方が安定して楽ですよ!
M4鬼目ナットの下穴は5.6mm〜6mmです。
組み付け時に割れない様に下穴最大径の6mmであけました。
下穴をあけたらノコギリとノコギリ治具を使い100mmでカット。
もう一つ100mmでカットします。
Tバーが通る部分は45mmの長さで2個です。
カットが完了しました。
出来上がりイメージは画像の感じです。
ココでも仮組みして様子を確認します。
正確に直角が出ていれば、ズレなく組めるはずです。
問題が無ければ、木工用ボンドで接着します。
その際にTバーが通る部分にボンドがはみ出さない様に注意します。
接着が完了したらサンドペーパーで全体を整えます。
ココはお好みで。
鬼目ナットの組付け
鬼目ナットを真っ直ぐ回し入れます。
今回使ったM4鬼目ナットは長さが10mmです。
はみ出ない様に1mm程度削ってあります。
六角レンチで締めたら、ボルトを入れてみて確認。
塗装
今回はブライワックスとアマニ油で保護塗装と滑り処理をしました。
必須ではありませんが、道具への愛着と言う事で。
旧ロゴですが、焼印を入れて完成です。
道具らしくなりました。
T定規の使い方
T定規の使い方は、差し金などで寸法を合わせ、ボルトで固定します。
そのまま、木材に当てて滑らせて長い墨付けをしたり部分的に同じ寸法の墨付けしたり出来ます。
製作を終えて
治具製作は墨付けや製作作業を楽にするだけでなく製作技術の練習にもなります。更に愛着が湧くように道具としての美しさやデザインに凝るのも良いですね。
今回は仕上げ塗装や焼印を入れたり僕なりの工夫をしてみました。
オススメグッズ
正確な穴あけにはドリルガイドが便利です。