前回のDIYカレッジ第6回までは「木材の基礎知識」を学んできました。
今回は、その木材をとめるための金物「ビスと釘」について解説します。
ビスと釘は用途によって使い分けるため、たくさんの種類があります。
しかし、DIYに限定して考えるとある程度種類をしぼる事ができます。
本日の講義は、DIYに適したビスと釘をご紹介します。
▼カリキュラム▼
第1回 導入編:DIYとは?
第2回 初級編:DIYに必要な工具
第3回 初級編:100均グッズで簡単DIY
第4回 初級編:ホームセンターに行ってみよう!
第5回 中級編:初めての木工DIYはSPF材がオススメ
第6回 中級編:木材カットサービスを利用してみよう!
第7回 中級編:ビスと釘の種類・用途を学ぼう
『1時限目』ビスの種類と用途
ビスとネジの違いとは?
「ビス」と「ネジ」は何が違うのでしょうか?
実は、ビスとネジの意味合いは混同しているケースが多く、明確には分けられていないようです。メーカーによっても“ビス”と表記したり、“ネジ”と表記したりマチマチです。
正確には、そのもの全てを「ビス」と呼び、らせん部分を「ネジ部」と呼ぶようです。
ビスの種類
ビスには用途に合わせて沢山の種類があります。大きく分けて金属用、木工用、その他用に分かれます。
その中でも細分化されており全体を理解するのは非常に難しいところです。
今回のカレッジではDIYの主流でもあるコーススレッド(木ネジ)を元に解説していきます。
ドライバービットのサイズ
ビスには頭にネジ穴が刻まれています。
その穴にドライバービットの先端を当て、インパクトドライバーなどで締め付けていきます。
ネジ穴にはサイズがあり、+1番と+2番があります。
+1番は細く小さいミニビス用、+2番は一般的なビス用です。
ビスのパッケージなどに、何番のビットを使用するか記載してあるので、それを見てビットを使い分けて下さい。
『2時限目』DIYの代表格 コーススレッド
コーススレッドとは木の接合を目的として作られた木ネジで、ネジ部分がその他の金属用等に比べると荒い螺旋状になっています。
その荒い螺旋上のネジで木材をしっかり掴み高い保持力を発揮します。
現在では木造建築の主流の木ネジになっています。
コーススレッドの強さ
コーススレッドは釘と比べると、同じとめ方をした場合、釘の約4倍の保持力を持っています。
通常は、鉄製でメッキ処理されたコーススレッドを使用するのが一般的ですが、屋外用に適したサビに強いステンレス製もあります。
コーススレッドの長さ
コーススレッドの長さは一般的に25〜120mmまであります。
DIYでは25〜65mmを使用する場合が多いです。
荷重のかかるウッドデッキやイス、テーブルなどは通常のコーススレッドを使用しますが、荷重のかからない作品にはスリムタイプのコーススレッドを使います。
さらに小物製作では板厚が薄いため、ミニビスを使用します。
材質による使い分け
コーススレッドの材質は大きく分けて「メッキ処理」と「ステンレス製」の2種類があります。
メッキ処理には、クロメートメッキとユニクロメッキがあります。
DIYではどちらを使用しても問題ありません。
メッキの色としては、クロメートメッキの方が木に馴染み目立ちにくいのでオススメです。
ステンレス製はサビに強いため、ウッドデッキなどの屋外用DIYに適しています。
そのため、メッキ処理のビスより2割ほど価格が上がります。
サイズの見方
ホームセンターでコーススレッドを購入する時は、必要な長さ、太さ、材質の3点をチェックします。
コーススレッドの長さは30mmを例に挙げると、ネジ先から頭までが30mmという意味になります。
芯径は下穴を開ける際のドリルの太さ選びの基準になります。
※芯径3.3mmの場合、下穴は2.8mm前後が目安です。
板厚に合ったコーススレッドの長さ(目安)
木と木を接合する際、板の厚さによって使用するコーススレッドの長さが変わります。
コーススレッドの最適な長さは、接合する板の厚さの合計から5〜8mm引いた長さが目安となります。
※1×4材を2枚接合する場合は30〜32mm。
板の厚さに対して、それよりも長いコーススレッドを使うとネジ先が飛び出てケガの元になるため、最適な長さのコーススレッドを使いましょう。
木+その他材質をとめるビス
木とそれ以外の材質を接合する場合は、接合するものによって使用するビスが変わります。
左側の皿ビスは主に金属用のビスです。
右側は金属製の長穴アングル材と木材を固定する際に使うボタンビスです。
製作する作品に合わせてビスを使い分けて下さい。